渡る前のこと②
まずはやはり金銭的な問題、これに触れないわけにはいきません。
とどまるところを知らない円安は、30年ぶりのレートを叩き出し、加えて物価高のダブルパンチ。
メトロやバス、タクシーなどの交通料金も年々値上げされ、
さらに観光客に強気なパリは、高額な宿泊税を導入。
オリンピック期間中はそれらが2倍3倍と引き上げられ、物議を醸していました。
食費の負担も大きく、外食を諦めてパンなど軽食を持ち帰っても、それが外食価格みたいな…
円安国のジャポネーズにはとても苦しい時期の渡仏ではありました。
おひとり様がゆえ、宿泊ホテルで加算されるシングルチャージも大きな痛手でした。
言葉の懸念もありました。
フランス語はおろか、英語も中学レベルで止まっている私は、恥ずかしながら簡単な英会話さえままなりません💦
今は翻訳アプリなど便利なツールがあるので、“文字”に関しては何とかなりそうでしたが、
“会話”となれば、アプリに耳を傾けてくれる人ばかりとは限りません。
なんなら英語が母国語だったりネイティブな人でさえ、フランス語しか通じず困る場面もあるそうで…
自分がコミュニケーションに難があることはわかっていたので、
事前に調べて確認できそうなことは、なるべく前もって把握するようにしました。
とは言えお店の注文など、会話が必要になるシチュエーションは少なからず訪れるため、
使う機会がありそうなフランス語の単語やフレーズを覚え、Google翻訳にも登録。
実際、現地では想像以上に言葉を交わす機会が多くあったので予習しておいてよかったです。
それと治安問題。
華の都と言われながら、スリ大国としても名高いパリ。
日常的すぎてスリが多いことは治安が悪いうちには入らないそうで、そこからもう日本の感覚とは違います。
5年前のツアーでも、パリ市内の終日フリーだった2日間にスリに遭遇したという参加者の方がたくさんいて
やっぱり多いんだなぁと思った記憶があります。
平和ボケした日本人はターゲットになりやすく、さらに女性のひとり旅は格好のカモだとか…🦆
少し検索すると次々出てくるパリの盗難や詐欺に関する情報。
海外旅行の基本的な防犯対策は心得ていましたが、その手口の多さと巧妙さに不安が募りました。
中には狙われたら最後という気さえするほど、大胆で手荒なものも…
例えば、地下鉄の階段で突き落とされ、倒れている間にカバンを盗られるとか、
空港からパリ市内へ向かうタクシーで、渋滞で停車中に窓ガラスを割られて強引に荷物を奪われるとか※
知識が増えるとともに不安も増すというのは、手軽に情報が得られるネット社会の良し悪しですね。
それでも“こういうことがあるらしい”と、可能性を頭に入れていたことは用心になったと思います。
※この強盗犯は在フランス日本国大使館からも注意喚起が出ており
対策として「手荷物は膝上やシートに置かず、外から見えない足下に置く」「車が減速・停止した際は周囲に注意する」などと記されています
他にもよく聞く話ではありますが、飲食店でトイレの近くや薄暗い席に案内されるなど、アジア人への差別。
欧米の観光客への対応とは明らかに違う雑な扱いをされたというような口コミも散見され
こちらの希望を伝えたり意思表示をしても相手にされないんじゃないかという不安がありました。
個人的には、言葉が通じにくいことで同等の扱いを受けられなかったとしても仕方のない気もします。
理解できない自分に否があるとわかっていても、露骨に嫌な顔をされたりすると落ち込みますけどね…
もちろんアジア人というだけで差別を受けたのなら話は別です。
フランスでは自分の意見を主張することが重要と聞くので、もし不当な扱いを受けたと感じた時は
「違う席に変えてほしい」など相手に自分の要望を伝えることで状況が変わることもあるかもしれません。
かく言う私にその語学も勇気もないのですが😅
渡る前のこと③につづく…
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